「電気主任技術者って危なそう」
「感電とか、事故が多い仕事じゃないの?」
こんなイメージを持っている方も少なくありません。

確かに、電気は人の命に関わるエネルギーです。だからこそ、それを扱う電気主任技術者は「国家資格」として厳格に管理されており、日々の業務でも徹底した安全対策のもとで作業が行われています。

この記事では、電気主任技術者の仕事が本当に「危険な仕事」なのか、その実態をやさしく解説していきます。


電気主任技術者が向き合う「危険」の正体

そもそも、電気主任技術者とは電気設備の保安監督を担う専門職です。再エネ発電所やビル、工場、病院、データセンターなど、大型施設の「心臓部」ともいえる受変電設備を監視・点検し、安全に電力を供給し続けることが役目です。

この業務の中には、高圧・特別高圧(6600V〜)の設備を扱う場面もあり、感電や火災などのリスクがゼロではありません。

しかし、だからといって「危ない仕事」と決めつけるのは早計です。むしろ、徹底したルールと安全管理体制があるからこそ、感電事故の発生率は極めて低く抑えられています。


感電や火災は本当に起きるのか?

過去の事故例を見ても、電気主任技術者が感電したり、火災を起こしたりする事例はごく稀です。その多くは、以下のような作業手順違反教育不足が原因となっています。

  • ブレーカーを切らずに作業を始めてしまった
  • 立ち入り禁止区域に誤って入ってしまった
  • 保護具(絶縁手袋など)の未着用

つまり、決められたルールを守っていれば、防げる事故ばかりです。企業によっては「ダブルチェック体制」「作業前後の指差し確認」「入退場のログ管理」など、ヒューマンエラーを防ぐ仕組みが厳しく設けられています。


安全管理の徹底ぶり

現場では、たとえば以下のような安全対策が日常的に行われています。

  • 作業前には「電源OFF確認」を複数名でチェック
  • 絶縁工具の使用・劣化チェック
  • 作業手順書の読み合わせと承認プロセス
  • 通電状態を目視+測定でW確認
  • 作業中は立入禁止エリアにコーンとロープで物理封鎖
  • 作業後は原状復帰と記録簿への記入

これほどの手順があるのは、事故を未然に防ぐためです。「面倒」と感じる人もいるかもしれませんが、これがあるからこそ、多くの現場で無事故・無災害を維持できているのです。


実際の業務の8割は“監視・点検”

もうひとつ、誤解されがちなのが「現場作業ばかりしている」というイメージです。

実際には、電気主任技術者の仕事の多くは日々の点検やモニタリング業務です。たとえば以下のような仕事が中心になります。

  • 計器のデータチェック(電圧・電流・温度など)
  • 定期的な目視点検や、異常音の確認
  • 年次点検に向けた計画書の作成
  • 保安報告書の作成や提出
  • 協力会社や作業員への安全指導・立会い

高圧設備に直接触れる作業は、年に数回程度の定期点検やトラブル対応時のみ。日々はむしろ「正常に稼働しているかを見守る」ことが中心なのです。


文系出身でも安心して挑戦できる理由

「危なそうだから、自分には向かないかも…」と感じる方の中には、文系出身の方や女性も多いかもしれません。

しかし、実際には文系出身で電験に合格し、現場で活躍している方も数多く存在します。

現代の保安業務は、ICTやモニタリングツールを活用した「監視型」が主流になっており、以前のような“肉体労働中心”の時代とは異なります。

加えて、多くの企業が未経験者向けに充実した研修カリキュラムOJT体制を整備しており、「はじめて電気を学ぶ人」でも安心してスタートできる環境が整っています。


「怖い仕事」ではなく「守る仕事」

電気主任技術者の本質は、「電気を安全に届けること」です。

目立つ仕事ではないかもしれません。でも、病院や工場、暮らしを支えるインフラの裏側で、安定稼働を守る存在として、社会に欠かせない仕事です。

そしてそれは、単なるルーティンではなく、「人の命を守る」という誇りを持てる専門職でもあります。

「危険そう」という先入観だけで、選択肢から外してしまうには、あまりにももったいないキャリアだと思いませんか?

徹底的に管理され、守られている仕事

電気主任技術者という仕事は、確かに「電気」という強力なエネルギーを扱います。しかし、それは徹底的に管理され、守られている仕事でもあります。

  • 安全対策は法令と現場マニュアルにより厳格に運用されている
  • 実際の業務は“作業”よりも“監視”や“マネジメント”が中心
  • 未経験・文系出身でも育成環境が整っている

あなたの中に、「人の役に立ちたい」「社会インフラを支えたい」という思いが少しでもあるなら、電気主任技術者はその想いを形にできる道の一つです。

“危険”というイメージの裏にある「やりがい」と「未来」を、ぜひ一度知ってみてください。