「再エネって、なんとなく未来に良さそうだけど…」
「実際にどんな仕事があるの?自分でも関われる?」
そう思っている方へ、再エネ業界における電気主任技術者のリアルな仕事と可能性を、やさしく丁寧に解説します。

再生可能エネルギーと電気主任技術者の関係

再エネの拡大に欠かせない“技術の要”

再生可能エネルギー(再エネ)とは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなど、自然の力を利用して電気をつくる仕組みです。
日本でも脱炭素やエネルギー安全保障の観点から導入が進んでおり、特に太陽光発電の設備数は年々増加しています。

そのなかで、電気主任技術者は発電設備を安全に運転・管理するための責任者として、法律上配置が義務づけられています。

つまり、再エネ事業の裏側で設備を支える重要なポジションなのです。

再エネ業界での具体的な仕事とは?

1. 発電所の保安管理

再エネ設備といっても、電気を扱う以上は感電・火災・漏電といったリスクがあります。
電気主任技術者は、こうした設備を法令・基準に沿って点検・監視し、異常を未然に防ぐ仕事を担います。

  • 太陽光パネルやパワーコンディショナーの点検
  • 記録簿・報告書の作成と保管
  • 年次点検・法定点検の立ち合い

などが日々の業務です。

2. 異常・故障時の対応

落雷や鳥害による断線、機器の劣化などにより、発電がストップするトラブルも少なくありません。
その際に現場に駆けつけ、状況を確認し、関係者に報告・復旧対応の手配を行うのも主任技術者の役割です。

ときには、設備メーカーや保安法人と連携して動く場面もあります。

3. 法的責任者としての届け出

電気主任技術者は、単なる「点検スタッフ」ではなく、法律で定められた“保安責任者”です。
そのため、

  • 経済産業省への主任技術者選任届け出
  • 点検結果やトラブル時の報告書の提出
  • 法令改正への対応

なども業務に含まれます。

企業の顔としての側面もあるため、誠実さ・正確さ・責任感が求められる仕事です。

活躍のフィールドは拡大中

小規模太陽光〜大規模風力まで

再エネ業界といっても、その設備の規模や種類はさまざま。
たとえば…

  • 50kW未満の低圧太陽光発電所(いわゆる「野立て太陽光」):第三種電気主任技術者で対応可
  • 高圧・特別高圧のメガソーラー・風力発電所:第二種以上の保有が必要
  • 地域分散型電源やVPP(仮想発電所):先進的なスマートグリッドとの連携も進行中

電気主任技術者は、こうした設備に応じて必要な資格と経験を活かし、現場を支えています

雇用形態も多様化

  • 電力会社や再エネ事業者の常勤社員
  • 電気保安法人への登録技術者
  • フリーランスとしての外部選任契約
  • 地方企業の副業的ポジション

など、働き方も時代に合わせて柔軟になってきています。

どんな人が再エネ業界に向いている?

社会課題に貢献したい人

再エネは、CO₂排出を抑え、持続可能な社会をつくる鍵となるエネルギーです。
その設備を守る仕事は、単なるインフラ管理にとどまらず、気候変動への対抗策や地域貢献にもつながるといえるでしょう。

安定した技術職で働きたい人

電気主任技術者は国家資格であり、再エネの拡大とともに需要は増加中。
電力やエネルギーに関わる以上、今後も長く必要とされる技術職です。
また、再エネ分野は景気に左右されにくいのも安心材料です。

地方移住や働き方の自由を重視する人

再エネ設備は都市部よりも地方に多く設置されているため、Uターン・Iターン転職先として人気です。
また、設備点検のスケジュールや場所も比較的柔軟なため、

  • 週に数回の稼働で月10万円以上の報酬
  • 複数施設を兼任して独立開業

といった働き方も実現できます。

未経験から再エネ業界で働くには?

ステップ1:資格取得(電験三種)

まずは「第三種電気主任技術者試験」の合格を目指しましょう。
合格率は例年10〜15%程度とやや難関ですが、独学やオンライン講座でも十分にチャレンジ可能です。

試験は以下の4科目:

  • 理論
  • 電力
  • 機械
  • 法規

受験資格は不要のため、文系出身・未経験からでも挑戦できます。

ステップ2:実務経験を積む

合格後は、実際に現場で保安業務に携わりながら、主任技術者として「選任」されるまでの実務経験を積むことが必要です。

  • 再エネ系スタートアップに就職
  • 電気保安法人で補助業務からスタート
  • 地方企業で若手技術者として登用される

など、若手登用に積極的な企業も増えているため、20代でもチャンスは十分にあります。

ステップ3:専門性を磨いてステップアップ

経験を重ねることで、

  • 第2種・第1種へのランクアップ
  • 高圧・特高案件の管理
  • 保安法人のマネージャーや独立開業

など、将来的なキャリアの広がりも大きくなります。

まとめ:再エネ×国家資格で“未来を支える仕事”に

電気主任技術者は、再エネ業界を技術面で支える中心的存在です。
国家資格としての信頼性と、再エネという成長産業の両方を掛け合わせることで、

  • 社会的意義
  • 技術職としての安定
  • 柔軟な働き方

をすべて手に入れることができます。

今から目指せる資格で、
未来に求められる仕事へ、一歩踏み出してみませんか?